過去に目を向け、未来を考えよう。
日程:11月11日(金)、12日(土)、13日(日)/入場無料 かんてんぱぱ 西ホール
主催:伊那Valley映画祭実行委員会、一般社団法人 井上井月顕彰会
協賛:伊那食品工業株式会社、株式会社 協和
後援:伊那市、三遠南信地域連携ビジョン推進会議(SENA)
協力:伊那ケーブルテレビジョン、上伊那郷土研究会
◉1日目:11月11日(金)
【戦争の記憶】
ウクライナへのロシアの攻撃が始まってから、私たちは戦争の悲惨な映像を日々目の当たりにしている。戦争がもたらす恐怖や非人間性をあらためて思い起こし、非戦のメッセージをこめたドキュメンタリーを上映する。
◆9:30-11:15 *ドキュメンタリー沖縄戦―知られざる悲しみの記憶(105分 2020)
監督:太田隆文
ナレーション:宝田 明、斉藤とも子
沖縄復帰50年を記念して上映。
沖縄出身の戦死者12万2228人、うち住民9万4000人。人口の3人に1人が死亡している。日本で唯一地上戦が行われた沖縄で体験者12人の証言と専門家8人が語る75年前の沖縄戦。ロサンゼルスで開かれた映画祭でベスト・ドキュメンタリー賞を受賞。
11:15-11:45 トーク(オンライン):太田隆文
11:45-13:15 昼休み
◆13:15-13:45*の~このおはなし 戦争と大地震の記憶 (22分 2020年)
ディレクター:平山直子
製作:伊那ケーブルテレビジョン
次の世代に語り継ぐために、一人の老婦人が、幼いころ体験した戦時中や戦後の暮らしを一冊の絵本にした。作者自らの朗読で絵本を紹介する。
13:45-14:15トーク(出演):平山直子
◆14:15-14:45*戦後75年目の懺悔~私は教え子を満州に送った~(30分 2021)
ディレクター:伊藤秀男
製作:伊那ケーブルテレビジョン
満蒙開拓青少年義勇軍の送出には教師が大きく関わっていた。その教師の証言を元に構成した。戦後75年、コロナもあってギリギリの挑戦となった。
14:45-15:15トーク(出演):伊藤秀男(放送部長)
15分休憩
◆15:30-17:00【特別上映】*いまはむかしー父 ジャワ・幻のフィルム(88分 2021)
監督:伊勢真一
出演:伊勢長之助/伊勢真一/伊勢佳世
製作:いせフィルム
戦時中、日本はアジア各地を占領し植民地解放を謳った。記録映画編集者・伊勢長之助(1912~1973)は、「文化戦線」の一員としてインドネシアに渡り、大東亜共栄圏という名目でプロパガンダ映画を創った。長男・伊勢真一は、どんな思いで国策映画を手がけたのかを知ろうと、父たちが創った“幻のフィルム”の行方を追う30年の長い旅。やがて、その旅に真一の長男・朋矢、長女・佳世も参加する。父から子へ、そして孫へ、時代の記憶が手渡されていく。
17:00-17:30トーク(出演):伊勢真一監督 (聞き手)北村皆雄
◉2日目:11月12 日(土)
【故郷(ふるさと)への想い】
生まれた場所であれ、移り住んだ先であれ、そこで暮らせば懐かしいふるさとになる。かけがえのない場所を大切にしていく伊那谷、そして日本各地の物語。
◆9:30-12:10*『二十四の瞳』(156分 1954年 )監督:木下惠介
小豆島の学校を舞台に、赴任した女性教師と12人の生徒たちとの交流を、戦争を跨ぐ激動の時代の中で描く。脚本・監督は、浜松出身の木下惠介。
(12:10-13:30 昼食)
◆13:30-14:50*奇跡の小学校の物語:この学校はなくさない(76分 2018年 )
監督:安孫子亘
宇都宮郊外の小学校に廃校の危機が! 校庭の桜の木をシンボルに学校を再生させる地域住民たちの奮闘は、同様の課題に直面する他地域にも勇気と示唆を
与えるだろう。
14:50-15:20 トーク(オンライン):安孫子亘監督 (聞き手)高柳俊男
10分休憩
◆15:30-16:20*しあわせさがし細田テュンの場合
SBS信越放送提供(48分 1995年)
ディレクター:岩井まつよ
タイの寒村出身の女性が、結婚で中川村に。新たな環境を明るく前向きに生きる本人の姿に、受け入れ側の村人たちの意識も徐々に変わっていく。
16:20-16:50 トーク(出演):岩井まつよ (聞き手):高柳俊男
17:00 終了
◉3日目:11月13 日(日)
【人間と動物】
人間は動物とどう向き合ってきたか?日本各地には狩猟を生業にしてきた人たちがいる。東北のマタギ、北海道の先住民アイヌである。動物と深く関わってきたその人たちの生命観を通して、人間と動物とのあるべき姿を考えたい。
◆10:00-11:45*劇映画 マタギ (103 分、1982年)
監督:後藤俊夫(伊那出身)
出演:西村 晃、安保吉人、林優枝、山田吾一、伴淳三郎 製作総指揮:小島義史、
製作:青銅プロダクション
マタギとは、狩猟を生業にする東北の猟師のこと。自分の顔に大きな傷を負わせた巨熊との因縁の対決に執念を燃やす一徹な老マタギとマタギ犬を育て上げる孫との交流を描く感動作。
11:45-12:00トーク(ビデオメッセージ):後藤俊夫監督
12:00-13:30 昼食
◆13:30-14:30*ドキュメンタリー映画「マタギ 又鬼」(53 分、1982年)
監督:岩崎雅典(秋田県出身)
撮影:明石太郎
製作:群像社
マタギのふる里と言われる秋田の阿仁地方に3年間通い、十数回狩りに同行した記録の集大成。岩崎監督は、野生動物と伝統文化を追いかけてきたが、フクシマ原発事故に衝撃を受け、被曝下に生きる動物たちを記録しようと5年間通い、5作品を完成させて2021年亡くなった。
14:30-15:00トーク:明石太郎 映画「マタギ 又鬼」について (聞き手)北村皆雄
15:00-15:10 休憩(10分)
◆15:10-17:00*映画「チロンヌプカムイ イオマンテ 日川善次郎エカシの伝承による」(105分 影:1986年 完成:2021年)
キタキツネのイオマンテという幻の祭祀を映した映像が35年ぶりによみがえった。「動物を我が子のように育て、それを屠って魂をカムイの世界にいる両親の元に送り返す。アイヌの精神文化・世界観を学ぶまたとない教科書であり、アイヌ文化を未来につなぐための貴重な遺産である」(中川裕 千葉大学名誉教授)
監督:北村皆雄
語り:豊川容子(アイヌシンガー )
音楽:豊川容子+chincup
制作:三浦庸子
製作:ヴィジュアルフォークロア
監修:中川裕(漫画『ゴールデンカムイ』アイヌ語監修者・千葉大学名誉教授)
17:00-17:30トーク(出演):北村皆雄「アイヌと動物、その命」