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春の俳句
何処やらに堂津の声きく霞かな
どこやらにたづのこえきくかすみかな
幻想的な、井月の代表句。臨終の前、俳友霞松の乞いにこの句を書いた。それで辞世だとも言われるが、実は幕末中川村四徳に小松桂雅を訪ね、句帳に書いた若書きがある。よって、辞世でないこと、また鶴は、堂津と変体仮名で書いてあり、たずと読んだことが分かる。この句の碑が、河南六波羅氏近く、美篶六道堤、東春近小松氏宅、高遠竜勝寺、長岡市蒼柴神社に立つ。
何処やらに堂津の声きく霞かな
(pdfファイル、675352バイト)
春の俳句
インデックス
花に客しらで碁をうつ一間かな
鰷若し橋も小舟もある流れ
柳から出て行舟の早さかな
隣から向ひから来て二日灸
山里や雪間を急ぐ菜の青み
膳椀の露きるうちや春の雪
春の月返すに早き波もなし
碁に労れ弓にも倦て鐘霞む
気配りの親と知らるる雀かな
請あはぬこころを頼む接木かな
鯉はねて眼の覚にけり春の雨
蝶に気のほぐれて杖の軽さかな
表から裏から梅の匂いかな
紅梅や朝風呂好の女客
霞日や木遣り音頭の唄の節
春風や碁盤の上の置手紙
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