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春の俳句
鯉はねて眼の覚にけり春の雨
こいはねてめのさめにけりはるのあめ (春雨)
庭に豊かな川の流れを引き入れた大きな池。大きな鯉が悠々と泳いでいて、がばっと跳ねた。その音でうたた寝から覚めた井月。外を見ると音もなく春雨が降っている。家なしの井月は今日はどこか大きな家の一室で悠々昼寝。世捨て人井月、文筆のみで、世間の人のような仕事はしない。一切の束縛から離れた自由人としての静かな境涯である。
鯉はねて眼の覚にけり春の雨
(pdfファイル、1416312バイト)
春の俳句
インデックス
花に客しらで碁をうつ一間かな
鰷若し橋も小舟もある流れ
柳から出て行舟の早さかな
隣から向ひから来て二日灸
山里や雪間を急ぐ菜の青み
膳椀の露きるうちや春の雪
春の月返すに早き波もなし
碁に労れ弓にも倦て鐘霞む
気配りの親と知らるる雀かな
請あはぬこころを頼む接木かな
蝶に気のほぐれて杖の軽さかな
何処やらに堂津の声きく霞かな
表から裏から梅の匂いかな
紅梅や朝風呂好の女客
霞日や木遣り音頭の唄の節
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