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春の俳句
紅梅や朝風呂好の女客
こうばいやあさぶろずきのおんなきゃく (紅梅)
風呂好きな井月、「山室といふ所へ湯治に罷る道すがら」と題した連句は、南箕輪村の有賀氏と巻いた。白骨の湯へは孤島の馬場凌冬夫妻と遠出している。そんな湯治場に出かけた折の句か。寒さも幾分緩んで紅梅が花開く季節、早朝の引き締まった空気に包まれて湯に向かう、きれい好きな女性であろう。朝風呂を浴びて白い肌が上気した艶っぽさ。紅梅との響き合いも良い。
紅梅や朝風呂好の女客
(pdfファイル、454459バイト)
春の俳句
インデックス
花に客しらで碁をうつ一間かな
鰷若し橋も小舟もある流れ
柳から出て行舟の早さかな
隣から向ひから来て二日灸
山里や雪間を急ぐ菜の青み
膳椀の露きるうちや春の雪
春の月返すに早き波もなし
碁に労れ弓にも倦て鐘霞む
気配りの親と知らるる雀かな
請あはぬこころを頼む接木かな
鯉はねて眼の覚にけり春の雨
蝶に気のほぐれて杖の軽さかな
何処やらに堂津の声きく霞かな
表から裏から梅の匂いかな
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