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春の俳句
春の月返すに早き波もなし
はるのつきかえすにはやきなみもなし (春の月)
ただ月といえば秋の月と見なされる。春の月は秋の月のような澄明さと違ってほのぼのと艶がある。夜月が照らしている明るい海面、波が寄せては返す。春の海は穏やかで、返す波も早くない。至って静かな波だ。人々によく知られている与謝蕪村(1716〜83)の「春の海ひねもすのたりのたりかな」が想い出される。
春の月返すに早き波もなし
(pdfファイル、147209バイト)
春の俳句
インデックス
花に客しらで碁をうつ一間かな
鰷若し橋も小舟もある流れ
柳から出て行舟の早さかな
隣から向ひから来て二日灸
山里や雪間を急ぐ菜の青み
膳椀の露きるうちや春の雪
碁に労れ弓にも倦て鐘霞む
気配りの親と知らるる雀かな
請あはぬこころを頼む接木かな
鯉はねて眼の覚にけり春の雨
蝶に気のほぐれて杖の軽さかな
何処やらに堂津の声きく霞かな
表から裏から梅の匂いかな
紅梅や朝風呂好の女客
霞日や木遣り音頭の唄の節
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