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秋の俳句
露の音腹も減がに夜の冴
つゆのおとはらもへるがによるのさえ (露)
夜更け露の落ちる音。夜は晴れて寒い。腹も減るほどに。がには副助詞。井月は今夜は野宿。少しは寝たかも知れないが、一旦目が覚めると寒くて今度は眠れない。ただ一人大自然の中に、星を見、虫の音を聞き、露が段々大きくなってついに落ちる。そのかすかな音も聞き逃さない。生きるとはどういうことか、つくづく考えたことであろう。
露の音腹も減がに夜の冴
(pdfファイル、299777バイト)
秋の俳句
インデックス
新米や塩打って焼く魚の味
立ちそこね帰り後れて行乙鳥
蕎麦切も夜寒の里の馳走かな
取越て米の祝や今年酒
きり晴や実のりを急ぐ風の冷
名月や院へ召さるる白拍子
大事がる馬の尾筒や秋の風
駒ヶ根に日和定めて稲の花
稲妻や藻の下闇に魚の影
迷ひ入山に家あり蕎麦の花
魂棚や拾はれし子の来て拝む
霜除る菊や小庭のしき松葉
草木のみ吹にもあらず秋の風
菊咲や陶淵明が朝機嫌
出来揃ふ田畑の色や秋の月
蕎麦切も夜寒の里の馳走かな
大事がる馬の尾筒や秋の風
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