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秋の俳句
きり晴や実のりを急ぐ風の冷
きりはれやみのりをいそぐかぜのひえ (霧)
朝霧が、晴れてきた。冷え冷えした風に秋を感ずる。稲を初め農作物は結実を急ぐ。秋霧を詠んだ和歌俳句は数多いが、冷えと共に作物が実りを急ぐという観点は珍しい。井月は、農民の気持ちになって生活していたのだ。
「朝霧や実のりを急ぐ川の音 井月」、東伊那馬場行恕氏庭に2001年建立に句碑「露に実の入て飜るる月夜かな 井月」も同じテーマ。
きり晴や実のりを急ぐ風の冷
(pdfファイル、579650バイト)
秋の俳句
インデックス
新米や塩打って焼く魚の味
立ちそこね帰り後れて行乙鳥
蕎麦切も夜寒の里の馳走かな
取越て米の祝や今年酒
名月や院へ召さるる白拍子
大事がる馬の尾筒や秋の風
駒ヶ根に日和定めて稲の花
稲妻や藻の下闇に魚の影
露の音腹も減がに夜の冴
迷ひ入山に家あり蕎麦の花
魂棚や拾はれし子の来て拝む
霜除る菊や小庭のしき松葉
草木のみ吹にもあらず秋の風
菊咲や陶淵明が朝機嫌
出来揃ふ田畑の色や秋の月
蕎麦切も夜寒の里の馳走かな
大事がる馬の尾筒や秋の風
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